南極物語
南極物語 (Blu-ray Disc)
価格:¥ 4,195
発売日:2006-11-08
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日本映画のリメイク作のなかでは、“いかにも”ハリウッドらしく再生された見本のような一作。南極に置き去りされた犬種はシベリアン・ハスキーとなり、その数は8匹。最終的に生き残る数にも、アメリカ映画らしい配慮が感じられる。犬たちのドラマに大きく焦点が当てられているのも特色。オリジナル版ではドキュメンタリータッチだった彼らのサバイバルが、ここでは「演技をする場面」に変わっている。それくらい特訓を受けた犬たちがすばらしいのだ。つながれた鎖を引きちぎり、氷の上を忍び足で歩き、仲間を思いやるなど、表情の変化さえ感じされるほどの名演技。要所で使われるCGにも違和感はない。
主演ポール・ウォーカーを中心に、大スターを使わなかったのも成功。俳優たちの個性を突出させず、作品全体から感動を与えようとするのは、ディズニー映画の真骨頂だ。オリジナルとは違って、南極基地の隊員たちの軽いやりとりも楽しい。やや気になるのは、隕石探しの博士の存在で、もっと悪役的な側面があればおもしろい展開になったかも。オーロラなど風景が美しいのに、氷の世界の寒さが伝わってこないのもやや疑問。やはり最終的には、犬の活躍がすべてをカバーする。犬好きには、あちこちで胸がキュンとなるはず。(斉藤博昭)